研究:(液体論の困難)確かにかっていた研究室は液体論の構造論中心で、正に重箱の角をほじくることに力点が置かれていた。またそうやって求めた液体の構造についての情報が他人に利用されたことは、極めて少かった。要するにプラクティカルでないのね(PYはだいぶプラクティカルだが)。最近は、第一原理分子動力学法でさらに角をほじりまくってるようだ。

平衡系液体のダイナミックスを、MCTもふくめて射影演算子法起源の手法で出すのは(GotzeとかSjolanderとかMazenkoとかいーっぱいある)、静的構造因子ひいてはpairポテンシャルに敏感で、ダイナミックスの理論の向上が研究全体に劇的にはきかない。そう、誰でも知ってることだ。
粘弾性理論はプラクティカルだが、ダイナミックスの理論としては完全に終っているしのう。
一方、Hubbard&Beeby流にやれば先に動的構造因子が求まり、積分すれば静的構造因子がでる。しかし、こうやって作ったS(k)は、伝統ある液体論の構造論の結果や普通のMDのより、圧倒的にひどい。
そしてHubbard&Beeby流を洗練させて成功したという話は、(少なくとも私は)聞かない。まあ、最近はチェックしてないがのう。
私はこれで、人生を一つ間違えた。研究テーマの選び方は研究よりも重要なのね、遠い日がちっとも懐しくないぞ。
(SSTがらみ)完全な壁を維持しつつ、物理量を計算する作戦の練り直し。まだ確信がでない、あれこれやる、土曜日の路線は完全な勘違いであった。
とにかく、基本方程式の正式な公表を早急にせんと、まずい。in preparationは音速がらみのつもりできたが、負なら負と言い切れるように計算したものを添えて出そうかと思いなおした。師匠がなんというか、というかその路線で続けたまえといわせるものを出さねばならん。共同研究者ではなく、観客であるのに指導しなければならないという困難を軽減させねば。