あれこれ:ちりっこさんも指摘されてたが、たしかにドラえもんの最終回はどうなるのだとはよく聞かれる。

まだ修了してないと思うと述べたあと、約6年間は昔流行った植物人間化したのび太くんの夢説を披露してきた。が、この3月に応物出身のやつに、知り合いから訊いた、奴の会社で流れていた(と奴がいって物理科の同期生にメールで送ってきた)バージョンを話した。それは、最終回というより、最終部分ということになるのだろう、若干長い話しだった。記憶を辿って再構成してみる。
ある日のび太が学校から帰ってくると、ドラえもんが全く動かない。死んだふりをするという芸風を持たないはず故に、のび太はパニックに陥る。ドラ美にSOSをだし、原因を調べて貰うと、なんと電池切れということらしい。電池は簡単に交換できるが、だがその際にドラえもんの全ての記憶が抹消されてしまうのだ。ドラ美によれば、技術的には(未来の技術水準からすれば)簡単に可能だが、法律上前回の記憶を保持したままでのネコ型ロボットの継続使用はできないのだそーだ。それゆえドラ美には、その操作ができない(そこがロボット、プログラム様は神様だ)。引き上げるドラ美の背中を見つつ、彼は、押入れに固まったドラえもんを入れた。
でここで、のび太は一世一代の大決心をする。「僕がエンジニアになって問題を解決するんだ。」 彼は、これまでの生活態度がウソのように、快活にそして元気よく前向きに学業に取り組み、東工大を出て超一流の電気メーカーに勤め、会社の金でMITに留学し、世界でも超一流といえるエンジニアになる。そして、電池とソフトの開発では天才と呼ばれるようになる。その頃には、妻として横により添うしずかの姿も。そして、とうとうドラえもんを蘇生する技術に独力で(もちろん秘密裏に)到達した。
この間約20年の月日が流れていた。ある晴れた日の午後、押入れからドラえもんと取り出すと、おもむろにしずかにこう告げた。「見て御覧、ドラえもんが起きるよ」こわごわとだが確信をもって、一連の操作をし、最後にしっぽのスイッチを引いた。眼を醒したドラえもんが、いつもと変らぬ口調でしゃべった。「やあ、のび太くん。宿題すんだ」
ここで突然「おしまい」とでて奴の話しは修了する。
明かにその会社は、奴の会社がモデルだろう、なぜ東工大でMITなのかも不明だが。それとも似たのがあのころ(1998頃)流行っていたのか。
それはともかく、もともとドラえもんはブラックな調子で始まった。一族の将来の破滅を回避すべく、子孫がタイムマシンで過去を修正するというのなら、よくありそうな話しだが、第1回とそのつぎ2、3回に流れるトーンは、とんでもなく暗かったのを覚えている(ただし、アニメじゃなくて単行本の方)。
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今現実逃避に漁ってみると、最終回はF不二夫氏によって用意されていたようだ。それから↑のはなしは、奴の願望が盛り込まれた、流布されてるものの1バージョンなのね(固有名詞を除き殆ど同じ)。まあ、技術屋向きの最終回ですな。因みに、応物の奴には↑の話しは受けた。しかしA不二夫氏が作った最終回も(あれば)見てみたいのう。